天城山 episode-5/5 ~Japanese 100 Great Mountains~

天城山といえば、ノーベル賞作家・ 川端康成の「伊豆の踊子」で有名で 天城峠や河津駅には記念碑もあります。

また、松本清張の「天城越え」の舞台にもなっているところです。映画の 「天城越え」はまだ観たことがなかったので、登山する数日前に鑑賞しました。
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この作品 の中で天城峠にある氷室に犯人の手がかりとなる裸足の足跡の話が出てきますが、その氷室が実際にありました。
昭和初期ごろ、冬の天城山の酷寒を利用して人工的に天然氷を製造して、この氷室に貯蔵していました。映画の中では犯人が潜んでいたことを思い出すと、薄暗いその空間を少し不気味に感じました。

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「天城越え」にも出てきた実際の氷室。

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前回、天城山に来たときは特段調べることもなくただ頂上を目指して登りましたが、今回は17kmの縦走を堪能し、人との出会いもあり、天城山に関わる文芸作品も鑑賞し、非常に印象に残る山となりました。 

世界で初めて5大陸最高峰を登頂した植村直己のことばを思い出します。
「私は五大陸の最高峰に登ったけれど、高い山に登ったからすごいとか、厳しい岩壁を登攀したからえらい、という考え方にはなれない。山登りを優劣でみてはいけないと思う。要はどんな小さなハイキング的な山であっても、登る人自身が登り終えた後も深く心に残る登山がほんとうだと思う。」

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五大陸最高峰制覇の他にも、アマゾン単独川下り、南極横断などすごいことを成し遂げてますが、植村直己のとてもユーモアのある人間性が分かってお薦めです!



天城山シリーズ完(次回は安達太良山)



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天城山 episode-4/5 ~Japanese 100 Great Mountains~

登っている最中、 万三郎岳からこのまま約4時間近くかけて同じ道を戻るのも面白みがないので、 縦走路のゴール地点である天城高原ゴルフ場まで行き、そこから交通機関を利用して伊豆半島を海沿いに戻ろうかと思いつきました。 

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地図で見るとこんな感じになります。時間もそう変わらなそうですし、登りはかなりの距離だったので帰りは少し楽して戻ろうかなと。


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万二郎岳へ向かう途中ゴルフ場が見えます。
そして、万二郎岳で剣士の男性と別れた後、約1時間で天城高原ゴルフ場に到着しました。

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四辻までくるとゴールまで後700メートル。もうすぐです。

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天城縦走路のゴール地点です。激しい道はないですが結構な距離だったので、なかなかの達成感はありました。


前に天城山に登った際にここのゴルフ場には来たことはありましたが、ゴルフ場のフロントに入るのは初めてです。マイカーの駐車場は縦走路のゴール地点近くにあるので、用がないとフロントまで来ることはありません。

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フロントにはゴルフ客も少なく、スタッフも手が空いてそうで丁度いいタイミングでした。
「これから天城峠まで交通機関を使って戻りたいのですが・・・」と聞くと、フロントの女性は驚いていましたが、他のスタッフの方々も親切に調べてくれて、バス、電車、タクシーで戻るタイムスケジュールを組みました。交通費のことを心配されたり、あまり一般的ではないようでした。

プランが立ったので、15時過ぎのバスまでカフェでゆっくりと過ごせました。伊東駅に向かうバスからは道路わきの林で野生のシカを見ることが出来ました。

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この日は朝から猛暑だったので、喫茶店は快適。

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バスの到着時間の頃合いを見て外に出ると途中でシロツバキを聞いてきた登山者とまた会いました。ゴルフ場をスタート地点に往復してきたそうです。話してみるとやはりシロツバキは見れなかったそうですが、これまで何回も花を見に来られているようで次回は花を見にぜひと強く薦められました。

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バスで山道を下っていく途中にシカを目撃。ちょっと分かりにくいですが木の陰に数頭いました。
 
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1時間程で伊東駅に到着。

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昔のハトヤのCMでお馴染みの伊藤ですが駅に降りるのはおそらく初めてだと思います。駅前は土産物屋も多く今も活気がありましたね。

伊東駅から伊豆急行に乗り河津駅に向かいますが、天気も良くて綺麗な海を眺めることが出来ました。

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登山から一転、小旅行気分!

W1440Q70_20170710_173044.jpg 河津桜で有名な河津駅に到着。

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「伊豆の踊子」は1933年から1974年まで6回にわたって映画化されています。(美空ひばりが主演しているのは観ました)
 
さらに河津駅からはタクシーでマイカーを停めてある天城峠まで向かいます。タクシーの運転手に「河津七滝は見たか?」と聞かれたので、「今日は天城山を縦走して、これから東京に帰るところです」と言うと、帰り道にある別の滝スポットを紹介してくれました。

河津七滝(かわづななだる)は河津川の約1.5kmの間にある7つの滝の総称で時間があれば観光したかったですが、さすがにこの日は諦めました。ちなみに、河津七滝および七つの滝はすべて「だき」ではなくて「だる」と読みますが、平安時代から伝わる民族語が由来だそうです。

今回は運転手が教えてくれた帰路の途中にある「旭滝」へ寄りました。

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落差105メートルもあって、水量があればもっと迫力が出そうです。


今回の天城山登山は、朝から登山客もほとんどいなく、黙々と頂上までを往復するつもりでいましたが、予想に反して多くの人と関わった登山となりました。 

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ゴルフ場のフロントで売っていたので、思い出に思わず買いました。


episode-5/5へつづく



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天城山 episode-3/5 ~Japanese 100 Great Mountains~

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天城峠から頂上の万三郎岳までの約5時間は誰にも会わずに1人で登っていました。万三郎岳で休憩して、そろそろ出発しようとしたときに、1人の男性が登ってきました。
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「今日はじめて人に会った」と話しかけてきたので、「私もです」と答え、しばらくベンチに座ってお互いに話しました。
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この日は登山者が少なく話している間は誰も登ってこなく、ここのベンチでまったりと過ごせました。

60代ぐらいのこの男性はなんと昨日、山口県から車で約900km運転してきたそうです。そして、百名山達成まであと17座で、これから約一カ月で百名山の未踏の山を含めて30座に登る計画をしていました。

予定表を見せてもらいましたが、ほとんど毎日どこかの山に登っているという過密な計画に驚きと感動を覚えました。

話は尽きず、「万二郎岳まで一緒に行きましょう」と言われたので、それから約1時間はこれまで登った山の話や日本各地の話を聞いて楽しいひとときを過ごせました。

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天気はいいですが、気が多くほとんど眺望はありません。万二郎岳に着く頃はガスってしまい、さらに何も見えなくなりました。


この男性はこれまでにざっと1,000 座は登っており、北海道や九州の百名山にも複数回登っていて、後は関東方面のみで、この夏に終わらせようということで、どんどん話に引き込まれていきました。
屋久島の宮之浦岳には15回ぐらい登ったそうです。

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万二郎岳でお昼を食べながら登山以外の話もしました。この男性は剣道七段の腕前で、6回目の審査でようやく合格したそうです。10回以上落ちることも珍しくない、非常に難しい試験のようです。

剣道八段にもなると合格率が1%程度で 、日本で行われる試験で最も合格が難しいと言われているそうです。

見るからに体つきががっしりしていて何かやっているとは思いましたが、こんなすごい人だったとは。今も毎朝6時の稽古は欠かさずやっているとのこと。

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「またどこかでお会いしましょう」とここで別れました。
男性は元来た道を戻り、自分はこの先の天城縦走路終点の天城高原ゴルフ場へ向かいます。


天城山は眺望があまりよくありませんが、全く見えないわけでもなく、万三郎岳から万二郎岳に向かう途中で展望が開けて、天気が良ければ富士山や海も見えます。前回登ったときは快晴でこんな感じでした。
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episode-4/5へつづく



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天城山 episode-2/5 ~Japanese 100 Great Mountains~

天城山は年間降水量が3000 mmを超える多雨地域で、温暖な気候と相まって樹木の生息には大変適している環境です。5~6月の時期はシャクナゲが見頃となり、登山道の脇にはツツジ、ブナ、ヒメシャラ、アセビ等の植物が見られ、多くの登山者がこの時期に登ります。

特に万三郎岳と万二郎岳の間の馬の背と呼ばれる尾根にあるアセビのトンネルは有名です。アセビとは馬が食べるとふらつく程の毒があることから漢字では「馬酔木」と書きます。
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Wikipediaより

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以前来たときはトンネルがあったぐらいしか記憶にないですが、今回じっくり調べてみると由来なども分かって興味深く知ることが出来ました。


また、ブナの原生林が広大な面積を占めているので登山中の眺めはないですが、途中にある八丁池がビュースポットと言えるでしょう。
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思っていたよりも大きい池で周囲の芝生も広いので、ここでしばらく休憩します。

また、この八丁池はモリアオガエルの生息地として有名です。
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Wikipediaより

モリアオガエルは水中には産卵せず、木の枝に泡で包まれた卵を産み付けるので、産卵時期には木々に多くの泡の塊が見られます。産卵時期の5~6月が見頃でしょうか。
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Wikipediaより


万三郎岳から万次郎岳へ向かっている最中に途中ですれ違った登山客から「シロツバキを見なかった?」と聞かれました。これまでの道中では花らしきものは見なかったので、そのように答えると非常に残念がっていました。

ツバキは上を向いたまま花が落ちるので、このシロツバキが一面に落ちるスポットがあるそうで、それを見に来たようです。
この登山客とは後でまた再会することになるのですが、聞いてみたらやはり見れなかったとのことでした。
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シロツバキ 

登山中はずっと虫やセミの鳴き声が大音量で聞こえてきて、多くの植物もあり、自然の豊かさを実感できます。
鳴き声はかなりの音量で人は少なかったですが、終始賑やかな感じでした。

また、万二郎岳からの下山中に突如後ろから鹿が飛び跳ねて追い越して行きました。あまりに突然過ぎて写真を撮ることも間に合いませんでしたが、天城山には非常に多くの鹿が生息しているそうです。


episode-3/5へつづく



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天城山 episode-1/5 ~Japanese 100 Great Mountains~

今回から新シリーズの天城山です。

天城山は伊豆半島の中央部に位置する山塊の総称で、そこに天城峠から最高峰の万三郎岳を経て天城高原ゴルフ場まで続く縦走路 があります。

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地図にある現在地から右上に向かって進む感じになります。

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登頂だけが目的なら天城高原ゴルフ場から往復約4時間で比較的簡単に達成できますが、今回は標高600mの天城峠から標高1,406mの万三郎岳を目指し、ゴールとなる天城高原ゴルフ場までの全長17kmの縦走路を歩いてきました。
前回登ったときは、右上の天城高原ゴルフ場から万三郎岳を往復しただけで、ちょっと物足りなさがあったかも。


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夜中に出発して、圏央道と東名高速で天城峠を目指します。
伊豆半島に差し掛かる頃は雲も多く、今日の天気がちょっと心配になります。



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登山口へ着く前にコンビニに寄って、水と食事を買い込みます。


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5時半頃、天城峠に到着すると 、車は1台も停まっていませんでした。駐車したのは「水生地下駐車場」。

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まだ早いのか、平日ということもあってか先客はありません。


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駐車場から道路を渡って、こちらの道を進んでいきます。


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しばらく歩くと左手に川端康成の「伊豆の踊子」の石碑が見えてきます。



さて、当初は最高峰の万三郎岳まで登って往復するつもりでしたが、 スタート直後に林道でいきなり道に迷ってしまい 30分程時間をロスしてしまいました。その後は道も整備されて順調に進めましたが、出だしは本当に分かりにくかったです。

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林道を進んで行くと、

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これが登山道なのか微妙でしたが登ってみても道らしい感じはなかったので、別の方向へ。

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その後も登山道か分かりにくい道を半分は勘で進んでいくと、

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なんとか道に出て標識があったので一安心。

W1440Q70_20170710_063645.jpgひとまず、ここでしばらく休憩して気を取り直します。



天城山は展望が望めない山としても知られています。 ブナの原生林が直射日光を遮ってくれるのですが、この日は気温が30度以上あり、 朝7時前でも汗がポタポタ垂れ落ちてきます。
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登山道はほとんどこのような感じで日よけになっていいのですが、やっぱり暑い・・

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途中で開ける場所がありますが、この日は32~33度はあったでしょうか。

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緩やかな登り道を2時間も歩くと八丁池へ到着し、のどかな景色を楽しみながら一息いれます。


ここから1時間半ほど先の戸塚峠まではほとんどアップダウンが無く、退屈な登山道が続きますが、ペースをあげて時間を短縮します。
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随所に特色があるこのカラーの案内があります。

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いいペースで歩けて、戸塚峠へ到着。


戸塚峠からは急な登りになり、1時間も進むと万三郎岳の山頂が見えてきます。
晴れていれば頂上からの展望も多少ありますが、この日は頂上に着く頃にはだいぶガスが出ていて何も見えませんでした。 

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episode-2/5へつづく



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穂高

Author:穂高
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